「帰る場所、そして出発の地点」
2023年10月22日final3、歴史が一つ刻まれました。
改めて会場やオンラインにて、ご声援を頂いた皆様に感謝申し上げます。
試合後のエール交換。関学主将の言葉には胸をうつものがありました。間違いなく、部の歴史を背負い、今年のチームを背負ってきたから発出された言葉。素晴らしかった。
他のチームから期待される、思いを託された経験はずいぶん遡る必要がありますが、
たしかにあの日、同志社は託されました。
今までの歴史にはなかった「関西制覇」まであと一勝。
明日を前に、少しだけ過去を振り返りながら、finalにかける僕の想いをお伝えしたいと思います。
歴史とは「過去との対話」。お時間のゆるすかぎりお付き合いください。
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2001年12月、ちょうど今の四回生たちが産まれた頃でしょうか。
全日本選手権の準決勝、対神戸大学。
僕は四回生として鶴見緑地スタジアムで戦いました。
その年は、立教OBの寺崎さん(現関西強化部)をコーチに迎えて臨んだ1部リーグ戦。
個性ある同期、後輩に恵まれ、リーグ戦では当時最強の神戸大学の連勝を止め、一位通過。
全日でもクラブチーム相手にアップセットを起こしました。
この神戸戦、詳細は割愛しますが、オーバータイムの末に敗れ、僕の学生ラクロスの時間は終わりを迎えます。
ただ、敗れはしたものの、4年間を通じて
出会いは人を変えること、
お互いを認めあうことの大切さ(多様性の素晴らしさ)、
自由の中で、自ら考え、自分たちでかなえる醍醐味(自作自演の楽しさ)、
学生スポーツというよりも、同志社ラクロス部の素晴らしさを充分に享受しました。今も変わらない生きるための学び。
先輩方から受け継いできた同志社ラクロス部は、社会人になる僕にとって「帰る場所」であり「出発の地点」となりました。
しかしながら、翌年同志社はリーグ戦にて会員証を提示できず、当時のリーグ戦規程から没収試合を引き起こし3部降格処分となります。
試合当日、その経過を会場にて目の当たりにするとともに、我々の代から継承した仕組みによって会員証が提示できなかったこともあり、とにかく僕は何もできぬまま、帰る場所を見失いました。
それから時がたち、1部昇格をしたものの、再び2016年には2部降格。
リーグ戦さえ戦えない時期が続きます。
この2016年以降、僕は何かをこの部に返せないかという思いで関わってきましたが、
結果を出せぬまま、活躍の舞台さえ用意できぬまま、多くの卒業生を見送りました。
これは先日お伝えしたとおり、自分たちの弱さと向きあった厳しい過去です。
この頃の失意は、おぎよしコーチのブログを読んでいただければよく分かると思います。
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そして今。
同志社は再び1部リーグを戦うことができています。
現在の環境、スタンドに訪れ応援してくださる方々の存在、当たり前ではありません。
この中で、私がなにより嬉しいのは、苦しい歴史を知る、特に直近のOBOGが数多く試合会場に足を運び、オンラインでも観戦してくれていることです。
1部で戦いたかった、もっと大きなことを成し遂げたかったという思いを持ちながらも、後輩の活躍を応援してくれています。
その姿、僕は誇りに思います。
スタンドでその姿を見ることができたり、個別にメッセージをいただいたりすると、同志社ラクロス部が少しずつ「帰る場所」になってきているのではないかと、心の琴線にふれるものがあります。
先日、ある四回生から「finalで関西とったら胴上げしますね」と言ってくれました。
とても嬉しい言葉です。必ず実現したい。でも、それなら僕は思います。
会場にいる、すべてのOBOGを胴上げしてほしい、と。
さて、明日。
また一つ新たな歴史が刻まれます。
11月4日を現役にとっても、OBOGはじめこの部に関わる全ての方々にとっても、
finalをこの部の新たな「出発の地点」に、僕はしたい。
>現役のメンバーへ
僕はみんなよりも、少しだけ過去を伝えることができるかもしれません。ただ、多くは失敗の経験で、今は語りきれない。
皆は違う。
自分たちのプレー、スタッフワーク、スタンドでの熱量によって、最も今を体現できる。人の心を揺さぶることができる。
明日、同志社ラクロス部を、新たな出発の地点に立たせることができるのは、歴史を創ることができるのは、自分たちだけだ。
シュンソクさんとの出会いも、新たに支援いただいた方々との出会いも、日々顔を突き合わせている当たり前のように隣にいる部のメンバーとの出会いも、
全てが素晴らしい出会いだったといえる結果を手繰り寄せるのも、自分たちだけだ。
託されたもの、応援してくれる方々の思い。明日はこれまで学生生活の多くを投げうって注いできた情熱を、会場に全ておいてこよう。
きっと、何年たっても忘れられない瞬間が待っているから。
約束する。
>OBOGはじめ応援してくださる全ての方々へ
明日も多くの方々が、会場に足をお運びいただけると伺っています。また、オンラインでもご声援いただけるかと思います。
皆様にとっても何年も忘れられない同志社Cheer、その風景、その瞬間になるはずです。この時を、皆様と分かち合えることを現役一同感謝するとともに、幸せに思います。
明日も、これまでの歴史を背負い、強く、美しい紫のスタンドから私たちの背中を押してください。
明日が、同志社ラクロス部にとって、
新たな「帰る場所、そして出発の地点」とするため、心を決めて戦いたいと思います。
HC 福田剛士
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